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インプラント治療者はアイコスを吸える?歯や歯茎への影響は?

 更新日:2023/03/27

たばこは吸いたいけど匂いや健康への影響が気になる人に話題の電子たばこ。紙巻きたばこに本来含まれている有害物質の約90%がカットされているということで、注目されているようです。

たばこは、インプラント治療者に悪影響を与えるため、できる限り吸わない方がいいとされています。その点、電子たばこの一例としてアイコスはどうなのでしょうか。インプラント、アイコスそれぞれの特徴と、インプラント治療者がアイコスを吸った時に及ぼす影響について、Medical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修ドクター:16
山口 浩太郎 歯科医師 山口こうたろう歯科 院長

インプラントの特徴

インプラントって何?

インプラントとは、歯が失われた場所にインプラントという人工の歯根を埋め、その上に人工の歯をかぶせる治療法のことをいいます。保険診療で使われる差し歯と比較すると審美性が高く、咀嚼力も自身の歯と比べて遜色がありません。ただし、保険適用外の自由診療で行われるため、大変高額です。

インプラントは歯根を骨と結合させるために手術が必要で、治療期間も数ヵ月を要します。また、メンテナンスが必要で、メンテナンスを怠ると感染などのトラブルの元になります。

インプラントは感染に弱い

インプラントは人口の歯なので虫歯のリスクこそないものの、免疫作用や新陳代謝も望めません。このため、インプラント周辺の組織では、天然歯と比べて歯周病菌に感染しやすいと言われています。特に、手術直後に発生しがちな痛みやしびれなどが術後2週間ほどたっても治まらないような場合は要注意です。また、自覚症状がないまま感染症にかかってしまうことも少なくないと言われているため、定期的なメンテナンスのための通院と毎日のブラッシングは必須です。

インプラント周囲炎とは

インプラント治療の代表的なトラブルが、インプラント周囲炎です。口腔内を清潔にできていない場合に起こりがちな症状で、インプラントの歯周病とも言われています。

症状初期は歯茎が赤く腫れるだけですが、徐々にインプラントと歯茎の間の溝が深くなっていきます。さらに進行すると、インプラントを支えているはずの顎の骨が溶けだしてしまい、インプラントがぐらついてきます。さらに重篤化していくとあごの骨がほとんどなくなり、インプラントはより不安定化し、最終的には抜け落ちてしまうこともあるようです。

インプラント治療に問題が起こると解決しづらい

インプラント治療に一度問題が起こってしまうと、解決しづらいことも多いため、日ごろのケアがとても重要です。インプラント周囲炎のように骨が溶けだしてしまったら、再生は難しいでしょう。このような症状を予防するためにも、日ごろのケアやメンテナンスはこまめに行いましょう。

たばこが原因でトラブルが起こることも

インプラント治療者がたばこを吸うと、普通の人よりも悪影響を受けやすいと言われています。インプラント周囲炎のリスクも高くなりますし、インプラントの手術跡が開いてしまった例もあります。たばこを吸っていることで治療が難しくなることもあるため、インプラント治療者はできるだけ喫煙に努めましょう。

アイコスとは

アイコスとは加熱式電子たばこ

アイコスとは、火を使わない加熱式電子たばこの一例です。火を使わないため、煙の量が少なく、受動喫煙のリスクも少なく済みます。独特の臭いはありますが、紙巻きたばこほどの強い臭いではありません。また、火を使わないので、紙巻きたばこを燃やした時に発生するタールはほとんど吸引しません。

有害物質が90%カットされている!タールも大幅カット

アイコスは、有害物質が約90%カットされており、発がん性物質と言われているタールも大幅にカットされています。紙巻きたばこに比べて、健康への悪影響が少なく済むとされています。また、部屋の壁や衣類などへの着色の原因であるタールがカットされるため、身の回りのものが汚れてしまうリスクも少なくなります。

また、タールは歯の着色汚れの大きな原因にもなっています。このように電子たばこは、紙巻きたばこと比べ、歯や生活品への着色を防ぐという大きなメリットを含みます。

全ての有害物質がカットされているわけではない!

アイコスには、たばこと同じように発がん性物質が含まれているものの、たばこよりは少ないとされています。しかし当然すべての有害物質がカットされている訳ではなく、10%程度は残っています。たばこの依存性の原因とも言われているニコチンが、アイコスにも含まれています。

電子タバコにしても、有害物質を含んでいるため、できればやめた方がいい習慣です。やめられない人が多いのは、依存性の高い物質であるニコチンを含んでいるからです。

アイコスがインプラントに与える影響は?

ニコチンが血管を収縮させてしまう

アイコスに含まれているニコチンには、血管を収縮させてしまう作用があります。そのことが原因で歯肉への血流を悪くさせ、歯肉に栄養が行き届かなくなることで、炎症を起こしやすくなったり、歯周病の原因になったりすることがあります。

アイコスもたばこの一種であるため、吸わない人に比べると、口の中が不健全になりやすいでしょう。アイコスを吸うことでトラブルの発生リスクが高くなってしまいます。

インプラント歯周炎を悪化させてしまう場合も

インプラント治療者は、アイコスを吸うことで、インプラント周囲炎のリスクが高まります。インプラント治療の成功率は、紙巻きたばこを吸う人と吸わない人で10%程度も変わるというデータがあるようです。このことからすると、紙巻きたばこほどの悪影響はないものの、アイコスにも口腔内の細菌を発生させやすくする懸念が考えられます。少なくとも、インプラント治療に対していい影響は与えません。

インプラント治療者はアイコスを吸ってもいい?

インプラント治療者は、アイコスを吸ってもいいのでしょうか。答えはNOです。なぜなら、インプラント治療にとっては百害あって一利なしだからです。

紙巻きたばこやアイコスを吸うことでインプラント周囲炎などのトラブルを起こし、インプラントが長持ちしないことも考えられます。インプラント治療者は、強い意志を持って禁煙することをお勧めします。

アイコスはインプラントには悪影響!禁煙がおすすめ

今回の記事では、インプラント・アイコスそれぞれの特徴と、インプラント治療者がアイコスを吸った時に及ぼす影響について、ご紹介してきました。

インプラントは保険適用外で行われる人工歯根を埋め、その上に人工の歯を作る治療法のことです。治療には時間もお金もかかるうえに感染症のリスクにかかりやすいなどのリスクがありますが、審美性は高く虫歯のリスクもありません。

アイコスとは、加熱式電子たばこの一商品です。火を使わないため、煙の量が少なく、受動喫煙のリスクも最小限です。タールを含む有害物質を約90%カットしますが、依存性の高いニコチンは含まれています。そのため、やめるのが難しいです。

アイコスに含まれるニコチンには血管を収縮さえてしまう作用もあるため、インプラントには悪影響です。そのため、インプラント治療者は、禁煙することがおすすめです。

監修ドクターのコメント
インプラントは隣接した歯に影響を与えず、歯の欠損が起きた患部だけで完結できますので、最も良いと思われる補綴治療です。ただし、油断は禁物でしょう。人工歯なので虫歯にはかからないものの、歯周病を中心とした歯茎のケアが欠かせません。また、糖尿病のような全身疾患を抱えている場合、インプラント体の生着を左右するため、健康管理が問われてきます。記事で触れている電子たばこや紙巻きたばこも、こうした予後管理の一貫といえるでしょう。こうした注意点は、これからインプラント治療を受けようとしている方にもきちんとご説明いたします。末永いお付き合いの始まりですので、ぜひ、信頼関係を構築していきましょう。
 
監修ドクター:山口 浩太郎 歯科医師 山口こうたろう歯科 院長

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山口こうたろう歯科

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住所 福岡県福岡市早良区南庄5-11-15
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【土・日】8:30~15:00
休診日 水曜日・祝祭日
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